火曜日のこと
ある婦人が店にやって来て
今週の土曜日に娘の結婚式があるので
式で使うウエディングケーキが必要だ。と言う
えーーーーーーーーーーーーーーー
バースデーケーキなら まだしも
ウエディングケーキ!?!?
”今週末ですか?” と驚く私に
笑顔を向けて婦人が頷く。

”客にはNOと言わない” と言う会社の方針が頭の中で回り
断ることは出来ない。
でも
婦人が希望するケーキはケーキを焼かないこの店では無理だ。
この店で使う冷凍のスポンジケーキで出来るケーキにするしかない。

日にちが迫っている事も理由に
冷凍のケーキで作るしかない事を話すと
気持ちよく納得してくれ
最初に希望した丸い3段レアケーキから
サイズが異なるハーフシーツとクオーターシーツの四角いケーキで
2段にした物で良い。と言う。
”それだと高さがなく幅の広いケーキになりますよ。” と
言っても
問題ないとでも言うように笑顔で頷く。
高さがないので
ウエディングケーキとしては
見た目が今一つだろうけど
考えると
切って客に出すのは楽だろう。

”何故今日まで注文を待ったんですか?” と訊くと
”自分は以前ケーキデコの仕事をしていたので
このウエディングケーキも自分でするつもりだったのが
料理もあって無理があるので
ケーキはオーダーすることにした”。” と言う。
この婦人は先週100人分のバンズをオーダーに来ているから
その時はまだウエディングケーキも自分でするつもりだったんだろうなぁ。
だんだんと日にちが迫り、
全てを自分でこなすのに
無理があることが分かってきたんだろう。
とってもフレンドリーなその婦人は顔いっぱいの笑顔で
”I have faith in you"(貴方の腕を信じてるわ) と言って帰った。
この程度のケーキなら出来るでしょ と言われているとも取れる。
その時、娘さんもご一緒だったんですが
とても素直な透き通った心が感じられて
何度も おめでとうって彼女に言ってしまった。
